投稿者: ジャパンホッパーズ編集部(Japan Hoppers Editors) 23 Jan 2016

日本の酒処を巡る~灘~

日本の酒処を巡る~灘~ © N. Nomura

日本には約1200の酒蔵があるといわれており、すべての都道府県で日本酒が造られている。日本酒は地域によって味はもちろん、合わせる料理や飲み方などに特徴がある。日本酒を知ることで、日本の豊かな文化の一端を垣間見ることができる。今回紹介するのは、兵庫県の灘。

日本三大酒処のひとつ、兵庫「灘」

大阪神戸の間の大阪湾沿岸部に広がる灘五郷と呼ばれる地区は、日本の三大酒処のひとつで、1330年頃から酒造りが行われてきた。ここで作られる日本酒は男酒といわれ、キレのある辛口が特徴だ。

灘の辛口酒の旨味を最大限発揮する「燗」(※)で飲むことが多いですね。明石の鯛、神戸の牛肉など兵庫県ならではの食材と合わせるのがお薦めです。   ~白鷹株式会社社長 澤田氏~

※「燗」とは、日本酒を温めて飲むこと。

灘の酒といえば「宮水」

日本酒は原料の約8割が水のため、水の質はそのまま酒の品質に表れる。灘の酒の特徴はキレのある辛口だが、それを可にするのが「宮水」といわれる地下水だ。西宮のごく一部に湧き出ているこの伏流水は、西宮の西側にある六甲山麓の水脈でミネラル分を多く含む中硬水。成分が酒造りに適していて、江戸~明治初期は酒が腐ることが多かったが、宮水で作ると腐らないという評判だったという。

灘の酒造りにかかせないこの宮水を守るために、酒蔵や自治体が一丸となり保全活動を行っている。宮水の井戸付近では、高層ビルはもちろん、住宅を建設するにも様々な調査を行う必要がある。水質に悪影響を与えてしまう可性がある場合は、建設の許可がおりないこともあるという。

最高級の酒米「山田錦」

兵庫県は日本酒の製造のみに使われる米(酒米)の生産が盛んで、代表的な酒米「山田錦」の生産量は日本一だ。その中でも六甲山麓では最高品質の山田錦を生産している。

宮水と山田錦の魅力を引き出す「生酛造り」

灘ならではの土地の特徴が生んだ水と米。これらの魅力を最大限引き出すのが、江戸時代から続く製造法「生酛造り」だ。生酛造りとは天然の乳酸菌で乳酸発酵を行う製造法で、手間暇はかかるが、「こく」がある日本酒ができるといわれている。

灘を代表する老舗「白鷹」

兵庫県西宮市。大阪駅から在来線で約40分、西宮駅から徒歩10分ほどの住宅街に創業約150年の老舗、Hakutaka(白鷹)がある(hakuは白、takaは鷹の意味)。江戸時代から続く造り酒屋で、昔ながらの製法「生酛造り」にこだわって酒を作り続けている。また、日本の酒蔵で唯一、三重県の伊勢神宮の「御料酒」に選ばれており、年末年始には伊勢神宮の境内に奉納された白鷹の酒樽が積まれている。

ここでしか飲めない限定酒

白鷹本社に隣接する「白鷹禄水苑(はくたかろくすいえん)」には、鰻の懐石料理が楽しめるレストランや限定酒などを販売する売店がある。土曜日、日曜日、祝日にしか営業しない「蔵Bar」では、ここでしか飲めない限定酒をショットで飲むことができる。もちろん、本格的な「燗酒」も飲むことができる。

白鷹禄水苑には無料の資料室が併設されており、江戸時代に使われていた酒造りの道具などが展示されている。

白鷹の代表銘柄『大吟醸純米 極上白鷹』

生酛造りならではのふくらみのある旨味が特徴の逸品。

取材協力

白鷹株式会社
住所:兵庫県西宮市浜町1-1
HP:http://www.hakutaka.jp/



ジャパンホッパーズ編集部 / Japan Hoppers Editors

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