投稿者: ジャパンホッパーズ編集部(Japan Hoppers Editors) 23 Jan 2016

日本の酒処を巡る~伏見~

日本の酒処を巡る~伏見~ © N. Nomura

日本には約1200の酒蔵があるといわれており、すべての都道府県で日本酒が造られている。日本酒は地域によって味はもちろん、合わせる料理や飲み方などに特徴がある。日本酒を知ることで、日本の豊かな文化の一端を垣間見ることができる。今回紹介するのは、京都市の伏見。

日本三大酒処のひとつ、京都「伏見」

京都市の南、世界中から観光客が集まる伏見稲荷大社がある伏見区は、日本有数の酒処としても知られている。この土地ならではの中硬水で作られる酒は、きめ細かくて柔らかな味わいが特徴だ。

日本酒は冷酒や燗酒など、様々な温度で楽しむことができるお酒です。常温は「その日の温度」と考えると、特別なお酒になります。   ~齊藤酒造株式会社社長 齊藤氏~

500年前に花開いた酒処「伏見」

この土地での酒造りの歴史は古く、安土桃山時代(1573–1603)には豊臣秀吉による伏見の影響で伏見は大いに栄え、それに伴い酒屋も急増した。江戸時代末期には一時酒屋が減少したが、現在では兵庫県の灘に次ぐ生産量を誇る。現在伏見には20以上の酒蔵があり、中には江戸時代(1603-1868)に建てられた酒蔵が現存するなど、当時の風情を感じることができる。

古くから重宝されてきた伏見の名水

伏見はかつて「伏水」と呼ばれていたほど質の良い地下水が豊富な地域だ。ミネラル分をほどよく含んだ柔らかな中硬水で、この水で作られる日本酒は口当たりのよいまろやかな風味を帯びる。その優しい味わいから「女酒」とも呼ばれ、洗練された京料理との相性は抜群だ。

地産地消の酒米「祝」

水とともに伏見の日本酒の特徴となるのが京都産の酒米である「祝」だ。かつては伏見の酒蔵で最も使われていた酒米だったが、栽培するのが難しいうえ収穫量も少ないことから、一時生産されなくなってしまった。1980年代の終わりになると、伏見酒造組合の働きかけにより「祝」の生産が再開され、約20年ぶりに「祝」で作られた日本酒が誕生した。地産地消にこだわっており、京都の酒蔵にのみ提供されている。

伏見を代表する老舗「齊藤酒造」

京都駅から在来線で約15分、桃山御陵前駅から10分ほど歩いた場所に1895年創業の齊藤酒造がある。日本酒の鑑評会で数多くの賞を受賞している、伏見を代表する老舗だ。京都産にこだわっており、酒米「祝」を復活させる際には積極的に取り組み、今では「祝」の総生産量の3~4割ほどを扱っている。京都市内の農家と共同で「祝」の田植え体験を行うなど、農家の支援も行っている。

日本酒で「遊ぶ」

日本酒に決まった楽しみ方はありません。飲み方や料理、酒器など、いろいろと組み合わせて楽しんでください。難しく考えず、日本酒で遊んでいただければ幸いです。   ~齊藤酒造株式会社社長 齊藤氏~

桃山御陵前駅から徒歩1分、齊藤酒造直営の居酒屋「醪音(Moromine)」がある。ここでは齊藤酒造の全銘柄が飲めるほか、この店でしか飲むことができない銘柄もある。もちろん、提供される料理は日本酒との相性が良い物ばかり。さらに、様々な酒器が用意されているので、自分好みの酒器を見つけて日本酒を楽しもう。

齊藤酒造の代表銘柄『古都千年 純米大吟醸』

京都産酒造好適米「祝」で作られる、上品でまろやかな味わいの逸品。海外での評価も高く、全米日本酒歓評会で金賞を受賞している。

取材協力

齊藤酒造株式会社
住所:京都市伏見区横大路三栖山屋敷町105
HP:http://www.eikun.com/



ジャパンホッパーズ編集部 / Japan Hoppers Editors

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